見えない人、見えにくい人、見える人、その誰もが楽しめる本を多くの人に届けたい―これがメノキ書房の願いです。障害の有無にかかわらず誰でもが読書を楽しめる、そんな社会を実現するための一助となりたいと考えています。
メノキの「メ」は「目」であり「芽」です。「キ」は木。木の芽を吹かせ、心の目を育てあげていきます。
当社では書店などの流通も視野に入れた自費出版(エッセイ、自叙伝、歌集、句集、写真集など)の制作のほか、文章作りの手助け、リライト作業などの相談もお受けしています。
メノキ書房
デジタル優先の時代、あえて紙の媒体にこだわり出版社を立ち上げました。本を手に持ち、一枚一枚ページをめくる。紙の質感に触れ、インキの匂いを嗅ぎながら言葉が紡ぐさまざまな世界をワクワクしながら楽しんでいただきたい―それがメノキ書房の願いです。好きなもの、伝えたいものを、愚直に、わがままに作り続けていきたいと思っています。短い言葉で想像の羽をどこまでも広げられる絵本を中心に、障害を持つ人も持たない人も、誰でもが読書を楽しめる書籍の出版を息長く続けていきたいと願っています。
新着情報
『爺さんとふたり』第37話「夜中の大バトル」
地震大国日本、とは言いますが…最近は大規模な地震が短期間に起こり、海外でも地震による壊滅的な被害がニュースを賑わしております。7月28日16時27分ごろ発生した「令和8年熊本地震」は、被害の実態が日を追うごとに明らかにされ、その規模の大きさに言葉を失ってしまいます。約10年という期間に2回も被災された方も多いと聞きます。心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興を祈念いたします。
さて前回は…
「家に帰れて、感無量」と涙していた爺さん。しかし、その涙が乾く間もなく、暴走が始まります。
爺さんとは、居間と私の寝室を呼び出しコール機でつなぎ、いつでも用事があれば駆けつけるようにしていました。すると、「命綱」と心得た爺さんはコールボタンを離しません。1日4回のヘルパー訪問の他、日を替えての訪問看護や訪問入浴、さらには見舞客などの合間を縫って、爺さんは何度もコール。
一番困ったのが、帰宅後3日目から始まった真夜中のコールでした。ほぼ1時間ごとにお呼びがかかります。駆けつけると、「ここはどこだ?」。何とかなだめても、1時間後にまたコール。呼び上げられる私は眠る間がありません。
4度目のコールで、私はついに堪忍袋の緒が切れました。
本日は、
『爺さんとふたり』 第37話「夜中の大バトル」
をお送りいたします。


いいかがでしたか?
真夜中の大音量コールは2晩続けて同じことが繰り返され、駆けつけると「ここはどこだ。家に帰る」。いくら「ここはお爺さんの家だよ」となだめても、いったんは納得するものの、結局は同じことの繰り返し。何度目かのコールに、頭の中は切れそうになり、ムカムカしながら爺さんの部屋に入るなり、「いったい何時だと思ってんのよ。いい加減にして‼」と声を荒げてしまいました。そんな私の剣幕にあっけにとられた爺さんは言いました。「あんた一体誰だね?」。この言葉でさらに怒りに火がつき、「何言ってんのよ。ヒロコじゃない」と、怒鳴り続ける私。すると爺さんは妙に落ち着いた声で「ヒロコ?ヒロコがそんなに怒るわけがねえ」と一言。この言葉に、頭に上っていた血が一気に引いていくのがわかりました。「そうだ、一番つらいのは爺さんだった…」。胸の奥がちくりと痛みました。あとは自己嫌悪、自己嫌悪、自己嫌悪です。
しかし、このままでは私の方が参ってしまう…主治医と相談した結果、夜間に眠剤を使うことになりました。
次回は 2026年8月15日(土) 第38話「錯乱」午前10時頃更新予定です。
次の『爺さんとふたり』もぜひ!楽しみにお待ちください!
『爺さんとふたり』 第36話「父の暴走」
梅雨… この時期は油断しているとなんでも傷んでしまうので気が抜けません。
なのに… 先日、お味噌汁をだめにしてしまいました。よりにもよって自分が好きな
具材の時に。
たっぷり作ったお料理を、食べずに捨てる瞬間ほど悔しいことはありません。
お味噌汁に限らず、食べ物には十分注意して美味しくいただきましょう。
さて前回は…
とうとう始まった在宅介護。身体的介護は「プロ」であるヘルパーや看護師に任せ、
精神的な支援は「家族」である私が担う、という形になったものの、日中、夜間、一
人で介護を担う私にとって、大きな課題はオムツケアでした。
オムツの世話をした経験がない独身の私にとっては、まさに「未知の世界」。在宅介
護に切り替えることを躊躇した理由の一つも、オムツケアでした。とはいえ、腹を括
らねばなりません。まずは、ヘルパーさんのケアの様子を観察させてもらうことにし
ました。
ヘルパーさんの介護技術は、「流石」の一言でした。
施設などでのオムツ交換は、通常、尿取りパットだけ交換して終わり、となるのです
が、ヘルパーさんは違いました。シーツを濡らすことなく、テキパキと局所をお湯で
洗い流してくれるのでした。その手際の良さは、まさに「プロの技」でした。
本日は、
『爺さんとふたり』 第36話「父の暴走」
をお送りいたします。


いいかがでしたでしょうか
「家に帰れて、感無量」と涙していた爺さん。しかし、その涙が乾く間もなく、暴走
が始まります。
爺さんとは、居間と私の寝室を呼び出しコール機でつなぎ、いつでも用事があれば駆
けつけるようにしていました。すると、1日4回のヘルパー訪問の他、訪問看護師や訪
問入浴、見舞客などの合間を縫って、爺さんは何度もコールを鳴らします。
一番困ったのが、帰宅後3日目から始まった真夜中のコール。ほぼ1時間ごとにお呼び
がかかります。駆けつけると、「ここはどこなんだ?」。何とかなだめても、1時間
後にまたコール。私は眠れません。
4度目のコールで私はとうとう堪忍袋の緒が切れたのです。
次回は 2026年8月1日(土) 第37話「夜中の大バトル」午前10時頃更新予定です。
次の『爺さんとふたり』もぜひ!楽しみにお待ちください!
『爺さんとふたり』第35話「プロの技」
台風上陸や梅雨入りなど季節は移り、もう6月。1年の半分があっという間に過ぎようとしています。
この時期、思い起こすのは正月に立てた目標です。「今年こそは」と意気込むものの、毎年ほぼ達成出来ていません。毎度「あと半年もあれば達成できるだろう」という甘い考えが頭をよぎるのです。今年はその考えを打破すべく、ハードルを下げた目標を立てたものの、いまだ達成していません。気が付けは12月、という事態だけは避けたいので、今日からチャレンジ!
さて前回は…
約10カ月の間、入院、骨折、寝たきり、危篤、人工呼吸器装着からの復活、退院、老人ホーム入所という激動の日々を乗り超えた爺さんが、ようやく念願の帰宅を果たしたお話でした。在宅介護になった爺さんは、1カ月のうち2週間を自宅、残り2週間をショートステイとして介護施設で過ごすことになりました。
施設から自宅へ到着した爺さん、ケアマネジャーさんから「ご気分は?」と声を掛けられると、「感無量‼」と言って泣いたのでした。
本日は、
『爺さんとふたり』 第35話「プロの技」
をお送りいたします。


いいかがでしたでしょうか
とうとう始まった在宅介護。身体的介護は「プロ」であるヘルパーや看護師に任せ、精神的な支援は「家族」である私が担う、という形になりました。
しかし、日中と夜間のヘルパーさんが居ない時間帯は基本的に私が一人で対応しなくてはなりません。この時間帯での主な仕事はオムツ交換。
オムツの世話をした経験がない独身の私にとっては、まさに「未知の世界」。在宅介護に切り替えることを躊躇した理由の一つも、オムツケアでした。とはいえ、腹を括らねばなりません。まずは、ヘルパーさんのケアの様子を観察させてもらうことにしました。
施設などでは通常、尿取りパットだけ交換して終わり、となるのですが、ヘルパーさんは違いました。シーツを濡らすことなく、局所をお湯で洗い流してくれるのでした。その手際の良さは、まさに「プロの技」でした。
次回は 2026年6月15日(月) 第36話「父の暴走」午前10時頃更新予定です。
次の『爺さんとふたり』もぜひ!楽しみにお待ちください!
書籍商品
メノキ ギャラリー
Menoki Galleryメノキ書房とかかわりの深いアーティストの作品を紹介、販売します。 第一弾として、メノキ書房刊 詩画集『かべとじめん』の原画を販売します。
