『爺さんとふたり』第37話「夜中の大バトル」
地震大国日本、とは言いますが…最近は大規模な地震が短期間に起こり、海外でも地震による壊滅的な被害がニュースを賑わしております。7月28日16時27分ごろ発生した「令和8年熊本地震」は、被害の実態が日を追うごとに明らかにされ、その規模の大きさに言葉を失ってしまいます。約10年という期間に2回も被災された方も多いと聞きます。心よりお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復興を祈念いたします。
さて前回は…
「家に帰れて、感無量」と涙していた爺さん。しかし、その涙が乾く間もなく、暴走が始まります。
爺さんとは、居間と私の寝室を呼び出しコール機でつなぎ、いつでも用事があれば駆けつけるようにしていました。すると、「命綱」と心得た爺さんはコールボタンを離しません。1日4回のヘルパー訪問の他、日を替えての訪問看護や訪問入浴、さらには見舞客などの合間を縫って、爺さんは何度もコール。
一番困ったのが、帰宅後3日目から始まった真夜中のコールでした。ほぼ1時間ごとにお呼びがかかります。駆けつけると、「ここはどこだ?」。何とかなだめても、1時間後にまたコール。呼び上げられる私は眠る間がありません。
4度目のコールで、私はついに堪忍袋の緒が切れました。
本日は、
『爺さんとふたり』 第37話「夜中の大バトル」
をお送りいたします。


いいかがでしたか?
真夜中の大音量コールは2晩続けて同じことが繰り返され、駆けつけると「ここはどこだ。家に帰る」。いくら「ここはお爺さんの家だよ」となだめても、いったんは納得するものの、結局は同じことの繰り返し。何度目かのコールに、頭の中は切れそうになり、ムカムカしながら爺さんの部屋に入るなり、「いったい何時だと思ってんのよ。いい加減にして‼」と声を荒げてしまいました。そんな私の剣幕にあっけにとられた爺さんは言いました。「あんた一体誰だね?」。この言葉でさらに怒りに火がつき、「何言ってんのよ。ヒロコじゃない」と、怒鳴り続ける私。すると爺さんは妙に落ち着いた声で「ヒロコ?ヒロコがそんなに怒るわけがねえ」と一言。この言葉に、頭に上っていた血が一気に引いていくのがわかりました。「そうだ、一番つらいのは爺さんだった…」。胸の奥がちくりと痛みました。あとは自己嫌悪、自己嫌悪、自己嫌悪です。
しかし、このままでは私の方が参ってしまう…主治医と相談した結果、夜間に眠剤を使うことになりました。
次回は 2026年8月15日(土) 第38話「錯乱」午前10時頃更新予定です。
次の『爺さんとふたり』もぜひ!楽しみにお待ちください!
